医療機関で実施される臨床検査

胸部X線、肺機能検査

胸部X線は、胸部をフィルムに当ててX線を照射することにより、肺炎や肺がん、肺気腫などの呼吸器の疾患や心肥大などの循環器の病気の有無や場所を診断する検査です。健康で空気が詰まっている肺は、X線が通り抜けるため黒く写りますが、炎症があれば白く写ります。

例えば肺炎の場合、広がりを持った不透明な白い影が写り、肺がんの場合は円形の白い影が写ります。また、心臓などの臓器も白く移るため、心臓が大きくなる心肥大も発見できます。

健康診断では、異常が見つかっても、具体的な病名までは記されていない場合があります。そんなときは、内科や呼吸器かを受診して、より専門的な検査を行い、病気を診断する必要があります。

空気を吐いたり吸ったりする専門の管を口にくわえるスパイロメーターという装置を使って、肺活量や肺の換気機能を調べるのが肺機能検査です。この検査で得られた数値が基準値を下回ると、呼吸器の病気が疑われます。

スパイロメーターを使った検査はいくつかありますが、代表的なものには、性別や年齢などから算出された予測肺活量に対する肺活量の比率を調べる「%肺活量」と、息を深く吸い込んでから一気に吐き出したとき、最初の1秒間に吐き出された息の量を調べる「1秒率」があります。

心臓の働きは自律神経によって調整されています。自律神経には、交感神経と副交感神経があります。前者は心臓の働きを活発にするのに対し、後者は休める働きがあります。

交感神経は、神経伝達物質が受容体と結合することで活動します。受容体はα受容体とβ受容体があり、ノルアドレナリンという神経物質がβ受容体と結合すると、心臓の働きが活発化します。新薬の開発にはボランティアの協力による臨床試験を経て、厚生労働省から製造・販売の承認を得る必要があります。

βブロッカーは、ノルアドレナリンとβ受容体が結合しないように、遮断(ブロック)する薬です。ブロックすることで、心臓の働きが抑えられ、送り出される血液の量が少なくなり、血圧が下がります。また、心臓の仕事量が減るため、狭心症や心筋梗塞の発作を防ぐことができます。

βブロッカーで心臓の働きを抑えすぎると、徐脈(脈が遅くなる)や心不全を起こすことがありますが、用法・容量を守っている限り心臓が止まってしまうということありません。