医療機関で実施される臨床検査

尿糖、空腹時血糖値

尿に流れ出てくるブドウ糖を尿糖といいます。通常、血液中のブドウ糖は、腎臓でろ過された後、再び尿細管から吸収されるので、体外に出ることはありません。しかし、糖尿病などの異常があると、血液中のブドウ糖の量が限度を超えてしまい、腎臓の処理能力が追いつかなくなり、ブドウ糖を含んだ尿が出てくるのです。

尿糖が陽性というだけで糖尿病とは言い切れません。正確な診断をするためには、血糖値やグリコヘモグロビンの値を測定することが必要です。血糖値などが正常でも尿糖が陽性になることがありますが、この場合は腎臓の異常である可能性もあります。

血糖値(血液中のブトウ糖の濃度)は食後に上昇しますが、時間がたつと段々下がっていき、空腹時に一番低い値を示します。この検査は、8時間以上食べ物を口にしていない状態で採決を行います。健康な状態であれば、空腹時の数値は61mg/dl以上110mg/dl未満です。

血液中のブドウ糖と赤血球中のヘモグロビンが結合したものを、グリコヘモグロビン(HbA1c)といいます。このため、血糖値の上昇に伴って、この数値も上昇します。

一度作られたグリコヘモグロビンは消滅するまでに数ヶ月の時間が掛かるため、過去1〜2ヶ月の平均的な血糖値を知ることができます。したがって、糖尿病診断の有効な指標として利用されています。

糖尿病の多くは、過食や運動不足、肥満、ストレス、加齢などの要素に遺伝的な要因が加わって、インスリンの分泌機能や働きが悪くなることで発症します。インスリンとは、血糖値を一定に保つ働きを持つ膵臓から分泌されるホルモンのことです。

糖尿病を予防するうえで注意すべき点は、まず私たち日本人は遺伝子的に太りやすい体質の人が多いということを認識することです。この遺伝子に該当する火とは、高脂肪、高タンパク質の欧米型の食生活を続けていると内臓脂肪型の肥満になりやすくなり、その結果、インスリンの働きが悪くなって、糖尿病を招く危険性も高くなります。

もう一つ重要な点は、日本人はインスリンの分泌機能が低下している人が多いということです。インスリンの分泌量が少ない人の場合、軽度の肥満でも糖尿病のリスクが高まります。

食事療法、運動療法、薬物療法が標準治療となります。低カロリーで栄養バランスが整った食事と適度な運動で血糖値が下がらない場合には薬物療法を併用することになります。

太りやすく、インスリンの分泌量が少ないという体質の人が多い日本人では、欧米型の食事は極力避けて、糖質が多く含まれるご飯を中心とした日本型食生活が臨まれます。

運動や食事など生活習慣のちょっとした見直しで血糖を良好にコントロールすることは可能です。なかでも、簡単にできる上に効果が高いのが、毎日の歯磨きです。毎日の歯磨きは、虫歯予防だけではなく歯周病予防のためにも効果がありますが、この歯周病は糖尿病にとって大敵になる存在なので、しっかりとした対策が必要です。

歯に歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊がこびりついていると歯周炎を起こしますが、そのまま放置していると細菌が血管を介して全身に及び、動脈硬化や心臓病など別の病気をも引き起こすと考えられています。

一般的に、糖尿病の人は歯周病にかかりやすいといわれていますが、歯周病菌はブドウ糖の代謝障害を招き、糖尿病の前段階に繋がることも明らかになっています。高血糖と歯周病の関係についてはさまざまな研究・実験が行われていますが、歯周病を治療すると血糖値が下がったという報告が多くありますから、積極的なケアを取り入れたいものです。

歯の細菌は就寝時に増殖しやすいので、寝る前の歯磨きは特に念入りに行い、正しいブラッシングはもちろん、歯ブラシで届きにくい歯と歯の間の汚れを取り除くためにもフロスを利用するようにしましょう。6ヶ月に一度は専門医の定期健診を受け、歯石を除去してもらうことも大切です。